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坂の上の雲第3部の上映が始まります [TV]

 坂の上の雲の第3部(激闘完結編)の上映がいよいよ12月4日(日)から始まります。09年から3年間にわたって放映された坂の上の雲も今回で最終回です。

  • 第10回 「旅順総攻撃」 12月4日(日)
  • 第11回 「二〇三高地」 12月11日(日)
  • 第12回 「敵艦見ゆ」 12月18日(日)
  • 第13回 「日本海海戦」 12月25日(日)

  http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/

  私も今回は最終回なので、楽しみにしていますが、それとは別に、12月23日(金)から全国東映シネマで「役所広司」主演の「山本五十六」のロードショーも始まります。(監修は半藤一利)

 http://isoroku.jp/index.html

 今の日本はずっと閉塞状態が続いてしまっているので、そんな時、前者の「坂の上の雲」のような成功体験物語を見て、皆が元気になれればそれに越したことはないと思うのですが、今の日本が置かれている状況を考えた場合、後者の「山本五十六」が直面していた問題の方にずっと近いように感じます。(というか、再度同じ問題で日本人が試されているように感じてしまう。)

 先のブログで、日本はこれからの21世紀の国のビジョンとして、「ソフトウエア立国」を目指してはどうか?という趣旨のことを書いたのですが、不思議なことに今日本の産業界、特に大手電機がこれだけハード編重主義、ソフトウエア軽視でどんどん駄目になっていってしまっているのに、書籍に関しても、またネット上の意見としても有識者の中から、そのような声がまったく上がってこないことが私には不思議でなりません。皆さん、賢いので、今更ソフトウエア立国を目指しても、遅すぎてもう駄目と分かっているのか、それとも今の電機大手のハード編重主義の体質を絶対に変えることができないと分かっているのか、本当のところはよく分かりません。

 このブログの中でも何回も書きましたが、クラウドはまさに空母そのものです。そしてクラウドは、ソフトウエアの知の集合体であるプラットフォームです。本当なら、これからのクラウド時代に向けて、過去の旧日本軍のプラットフォーム作りの失敗から「空母研究」のような論文提出がたくさんされてもといいと思うのですが、そういったものはいっこうに出てきません。余談になりますが、西洋はルネサンスの時代に、それまでの十字軍の時代に、なぜイスラムとの戦いに勝てなかったのか?という研究を徹底的にやったそうです。(実際、十字軍の時代、西洋はイスラムに全く勝つことができなかった。)その結果、WASPはそれから500年間、戦争に負けたことはない。

 現在、TPPに参加すべきか、参加すべきでないか?といった議論が盛んに行われていますが、日本のこれからのソフトウエア戦略をどうしていくべきか?といったことの方がもっと重要だと思います。日本人が、ソフトウエアが不得意であるとか、それに向いてないとかいってるような話ではないと思います。得意でないなら、自己変革してでも得意にならなければ、旧日本軍同様にもう不要になった極みモノのハードを最後まで守って、特攻しないといけないような悲しい結末になってしまうと思います。

 今、アメリカのソフトウエア産業を牽引しているというか、その基盤にあるものは、「コンピュータ・サイエンス」です。残念ですが、日本には、「コンピュータ・テクノロジー」はあっても、「コンピュータ・サイエンス」に相当するものはありません。言ってみれば、新しいソフトウエアの基礎になる部分がないわけです。なので、今の日本にできることは、そのアメリカの作った基礎をできるかぎり早く吸収してしまうことです。日本人の吸収する能力は世界一のはずです。これからモノ(資源)はどんどん枯渇していってしまいます。好むと好まざるに関わらずモノを所有しない時代は必ず到来します。その時代に向けて、日本の国としてのソフトウエア戦略を早急に立ち上げる必要があると思います。

by チイ


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坂の上の雲第2部の上映が始まります [TV]

 今年も暮になって来ましたが、来週(12/05)から4回に分けて、NHKで坂の上の雲の第2部の上映が始まります。第2部は特に、真之と子規の友情を描いた内容になっているようです。

 http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/

  • 第6回 「日英同盟」 12/05(日) p.m.7:30~9:00
  • 第7回 「子規、逝く」 12/12(日) p.m.7:30~9:00
  • 第8回 「日露開戦」 12/19(日) p.m.7:30~9:00
  • 第9回 「広瀬、死す」 12/26(日) p.m.7:30~9:00

 NHKの大河ドラマの「竜馬伝」も終わってしまったが、「竜馬伝」や「坂の上の雲」から何を学び取るかは人それぞれだろう。坂の上の雲第2部に向けたある雑誌の中で、茂木さんが、「歴史の一回性」ということについて書いていた。坂の上の雲や戦後の高度経済成長などは、まさに日本人がこの「歴史の一回性」ということに果敢に挑戦して、かつ成功した近代日本史の誇るべき体験として、多くの人がその歴史の追体験から学んでいるわけである。と同時に、多くの場合、未来はそれまでの歴史の追体験の延長線上にはない場合がほとんどである。

 日本の軍拡は、空母の時代に入って、「情報通信ネットワークの構築」という歴史の一回性に失敗して雲散霧消してしまった。いまでこそ、その敗因の原因分析として、「空母を中心とした情報ネットワークの構築に失敗した」などと最もらしいことを言うことができるが、当時は日本もアメリカもこの空母というまだ前例のない最新兵器をいかに運用して使いこなすか明確に分かっていたわけではない。空母は多分、明治以来成長を続けてきた日本が、初めて前例のない最先端分野に突入した歴史の一回性を検証する上で、多くのことを学べる貴重な事例だと思う。(最も、未来はその失敗パターンの延長線上にあるわけでもないのだが。)

 そういう意味でも、もし「坂本竜馬」や「坂の上の雲」からどんな時代になっても学ぶべきことがあるとすれば、それは、「新しい日本人」ということになるのだろう。彼らはそれまでの古い日本人像を壊して、新しい日本人像を作りだしてきた。これからの日本も、大変な時代になるとは思うが、臆することなく、歴史の一回性ということに果敢にチャレンジしていかなければいけない。これからの日本は、今までの日本の成功パターンとは大きく違って、多分、豊富な前例や確固たる基礎がない状態で、イマジネーションを最大限に膨らませながら生きていかなければならなくなる。本物のインテリジェンスが問われる時代になってくるのである。成功するか、失敗するかは分からないが、JAZZの即興演奏のようにその場所、その時間だけにしか絶対に聴くことができない一回性の音を奏でていかなければいけないのである。

by チイ


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NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の上映が始まります [TV]

 11/29(日)からNHKのスペシャルドラマとして司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」の上映がはじまります。3部作に分けて2011年までの3年間、毎年年末に放映されるそうです。(なんだか、1年経ってしまうと、前のストーリー忘れてしまいそう。)

(坂の上の雲の公式サイト)

http://www9.nhk.or.jp/sakanoue/

「坂の上の雲」全8冊を文庫で購入しました。私は元々小説とかはあまり読まない人なのですが、3年間なら年に2~3冊のペースで読めるのであまり時間も無駄にならないかな?と思って買いました。田舎の大先輩でもあるので。堺屋太一の書籍によると勝負の年は2011年らしいので、「坂の上の雲」の上映が終わった段階で日本の運命も決している-ということになるのでしょうか?

DSC_0396_cut.jpg 「坂の上の雲」全8巻-文春文庫

 この1月に田舎の「坂の上の雲ミュージアム」を見て、直観的に思った疑問-何故、今この時期に「坂の上の雲」を上映する意味ってなんなんだろうと?その時はうまく言えませんでしたが、今はなんとなく言葉で表現できます。つまりこういうことです。

 私は今この時期に「坂の上の雲」を上映することは完全に的外れだと思っています。多分、司馬遼太郎が今生きていたらそれを望んでいなかったように思います。「坂の上の雲」は完全に「成長型」人間の立身出世の物語です。ですが、今本当に日本に必要なのは、「発展型」人間の偉人の物語だと思うのです。しかし悲しいかな、日本には「発展型」人間の偉人の物語が無い。(あったとしても、それが社会的に影響をあたえるようなものではない。逆に、欧米では偉人と言えば、それは全て「発展型」の人間です。「成長型」はいないといってもよい。)

考えてみると、日本では昔から景気が悪くなったり、社会に元気がなくなってくると「成長型」人間の立身出世の物語をやります。「太閤記」がいい例でしょう。皆を元気にするという意味では確かにそれなりの意味はあると思いますが、今の日本の成熟社会にさしかかった段階でのパラダイムシフトにはあまりそぐわないような気がします。そろそろこのワンパターンから抜け出してもいいような気がします。

 なので、前にも書きましたが、私は「坂の上の雲」を反面教師として見て、読むつもりでいます。確かに日本海海戦でロシアのバルチック艦隊との戦闘場面など高揚する場面とかもありますけど。皆さんもそれぞれの考えを持って、「坂の上の雲」を楽しんでください。

by チイ


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ポアンカレ予想 [TV]

10月22日の22:00からのNHKスペシャルで放映された「100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者 失踪の謎~」を見た。ロシア系ユダヤ人のグリゴリー・ペレリマンが「ポアンカレ予想」を解くまでの100年にわたる数学者達の戦いの軌跡を追ったもの。私は、ポアンカレ予想が数学のミレニアム賞の7大難問のひとつであることは知っていたが、その内容については全然知らなかったので、今回TVを見たついでに、Webなどで内容を少し調べてみた。ポアンカレ予想とは、

単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3同相である」というもの。何のことを言っているのかさっぱり分からないので、次元をひとつ落とした2次元で考えてみる。2次元球面(地球儀のようなもの)上のある一点から任意の経路でロープを敷いていって、もとの点に戻った時点でロープの両端を引っ張るとロープは回収できる。しかし、もし地球がドーナツのよう中空のある形をしていたなら、そのリングの周りに経路をたどった場合は、ロープは回収できなくなる。この場合、ロープを回収できる場合は、2次元球面のような丸い形をしていることが分かる。ポアンカレはこれを3次元に拡張したものでも同じことが言えると考えた。実際に3次元球面がどういうものか私達にはみることはできないが、TVでは「ロケットにロープをつけて宇宙に打ち上げたと仮定し、そのロケットが宇宙を一周し、自分の手元に戻ってきたところを、ロープの両端をひっぱることで回収できたならば、宇宙は概ね丸いと言える」というたとえで説明していた。

ポアンカレ予想を拡張したものに、「サーストンの幾何予想」というものがある。これは3次元の閉じた図形は全て8種類の基本的なピースの組み合わせで表せるというもので、その中で、単連結、つまり、ロープを渡したときに縮んでしまうのは、3次元球面だけだろうというのが、 ポアンカレ予想だ。従ってこのサーストンの幾何予想を証明すれば、ポアンカレ予想は証明されたことになる。

ペレリマンは、このサーストンの幾何予想を、微分幾何と統計物理の手法を使って証明したそうです。それまでの多くの数学者がこの問題を位相幾何(トポロジー)の手法を使って解こうとしていたのに対して、ペレリマンはその対極にある微分幾何(といっても微分幾何そのものはポアンカレが位相幾何の体系を作る前から存在していた)と何と統計物理まで使って解いたそうです。(ペレリマン自身は、数学よりも理論物理の方が得意だったらしい)具体的にはハミルトンの「リッチ・フロー」という手法を使って証明したそうです。リッチ・フローとは、3次元の図形に、リーマン計量という曲がり具合を与えて、その曲がり具合が平均化する方向に動かした時、 曲がり具合がだんだん均質化されていって、きれいな曲がり具合に収束するだろうということを証明したもの。ただこれを3次元に適用しようとした場合、ある時点で特異点にぶつかってしまって先に進めなくなってしまう。そこでペレリマンは、リッチ・フローはしばらく止めて、先に図形のほうを手術して滑らかにしてから先に進むことでこの問題を解決した。(結果トポロジーが変わってしまう。)

ペレリマンは昨年のこの功績に対して与えられたフィールズ賞の授与を辞退している。この問題解決に全身全霊を使い果たして、精神的に病んでしまったようだ。このポアンカレ予想もそうだが、10年前に解決された「フェルマーの最終定理」も含め多くの優秀な数学者達がこれらの難問に挑戦し、結果人生を棒に振ってしまい自殺したりしている。数学に努力賞はない。0(解けていない)か100(解けた)の厳しい世界である。そういえばフェルマーの最終定理を解いたアンドリュー・ワイルズも論文を提出してから穴がひとつ見つかって、それからは人目にさらされての戦いとなった。ギブアップ宣言をしようとした土壇場で、以前に自分が捨てたアイデアの中に問題解決の糸口があることに気がついて、結果として成功することになる。インタビューでワイルズはあのようなひらめきは人生で二度と起きないだろうと言って、その時のことを思い出して泣いていた。数学とは、すごい世界である。

私が生きている間に、これら2大難問が解かれたことに遭遇できたことは幸福だったかもしれない。7大難問と言えば、まだ素数の問題である、「リーマン予想」が残っている。この問題は是非日本人の手によって解決されることを願っている。

 

by チイ


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お正月のBS番組から [TV]

最近BSの番組をよく見ます。お正月の年始恒例の「未来への提言」シリーズの中から、おもしろかったものについて書いてみました。

■ 発明家 レイ・カーツワイル~テクノロジーの進化を予言する~

発明家レイ・カーツワイル氏の技術未来予想。この番組の中で一番印象的だったのが、「Singularity(特異点)」と呼ばれるコンセプトで、技術の指数関数的な進歩により、2045年頃にコンピュータの能力が地球上の全人類の知能を上回ってしまうポイントのことを言っていて、この点を過ぎるともはや人間がコンピュータを制御できないような時代に突入するだろうという未来予想です。氏の新刊 「The Singularity is Near : When Humans Transcend Biology(『特異点は近い:人類が生物学を超えるとき(仮題)』)」の中で述べられています。コンピュータの処理能力自体が指数関数的に向上していくことは間違いないと思いますが、コンピュータが後40年弱くらいで本当に「強いAI」を持つにいたるのでしょうか?(現在のAIの研究は、「強いAI」からは一歩身を引いて、「弱いAI」の研究がかなり実用化されてきているみたいです。)コンピュータが人類を超えた創作活動を行う時代、たとえば大作曲家の書いたシンフォニー以上の傑作をコンピュータが作曲したり、数学や物理の未解決問題をコンピュータが解いたり、新しい分野の学問の教科書をコンピュータが執筆したりということになるのでしょうか?まさに人間とは何か?再定義が必要になってきますね。人間と機械の区別も難しくなってくるのではないでしょうか?

■ 理論物理学者 リサ・ランドール~異次元を語る~

ハーバード大学の女性理論物理学者リサ・ランドール博士とJAXAの宇宙飛行士若田光一さんの対談。彼女は、今全米が注目する物理学会のニューヒロインで、5次元世界の提唱者です。加速器を使った粒子の衝突の実験で、消えてなくなる素粒子が存在することから思いついたらしく、5番目の次元は私達が触ったり、感じたりはできないものだが、物理的には必ず存在するものらしいです。日常の例でたとえていうと、3次元空間の中にスライスされた2次元の平面(膜)が無数にあって、その膜のひとつに私達や銀河が張り付いているようなイメージだそうです。以前にBSの番組の特集で「超弦理論」(重力を含めた力の統一理論)の特集をやっていましたが、現在、超弦理論の最新理論である「M理論」でも同じような説明がされていて、プレーンとプレーンの間は唯一重力が伝播されていて、あるときプレーンとプレーンが何がしかの要因で接触すると莫大なエネルギーが解放されてビッグバンが起こり新たな宇宙(プレーン)が発生するメカニズムを説明していました。ただ、M理論は11次元の超重力理論なので、ランドール博士の5次元宇宙とどういう関係にあるのかはよく分かりません。彼女は今43歳で独身ということでしたが、なかなかの美人でした。高校生のとき数学オリンピックで優勝したそうで、昔からその片鱗はあったみたいです。子供向けに数式を使わずにWarped Passage(ワープトパッセージ)という本も書いているようで、全米の科学分野でベストセラーになっています。

■ 未来学者 アルビン・トフラー ~田中直毅 “知の巨人”との対話~

御存知“知の巨人”アルビン・トフラー(78)と経済評論家の田中直毅さんの対談。トフラー氏は11年ぶりに新著『富の未来』を出版、そのなかで「世界で産業革命以来の新たな大変革が起きている」と指摘し、世界中で大きな関心を呼んでいる。アルビン・トフラーがプロシューマー(生産消費者)という以前から提言している新しい概念について終始語っていたのが印象に残りました。

                                                                        by チイ


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