SSブログ

米中5G戦争の行方 [技術]

 現在、米中の貿易戦争が激しさを増しているが、その中でもをファーウェイを標的にした米中5G戦争の行方は、今後の両国の「デジタル主権」の世界覇権を巡る戦いでもある。5Gの技術に関しては、今のところファーウェイがダントツの第1位であり、アメリカがこのまま何もしないで手をこまねいていると、後10年後には今アメリカが中国に対して行っていることを、逆にそのまま中国がアメリカに対して行っているような時代になっているだろうと言われている。中国共産党が世界覇権を掌握すれば、恐ろしい世界になっていくのは間違いない。

 米中5G覇権争いは、純粋な通信技術の戦いではなくて、「諜報インフラをめぐるグローバルな政治実質支配の覇権争い」である。近い将来、ファーウェイ製のスマホや5G基地局が世界中で使われるようになると、それは世界が中国共産党に実質支配されるインフラが完成することを意味する。ファーウェイは不正アクセスとヒューミントを通じて、米国の「バックドア」の技術を盗んでそれをコピーして使っている。アメリカがファーウェイを「通信スパイ」の容疑で起訴しないのは、それをもともとやっていたのはアメリカだからだ。

 現在、アメリカは特にEUなどに対して、ファーウェイ製の製品や基地局を導入しないように警告しているが、ポーランドようなアメリカとの安全保障を最優先に考えなければいけない国は別にして、ほとんどの国はファーウェイ製品を排除しない方針のようだ。その方針は、「国家の核心的な部分には参入させないが、それ以外には参入を認める。常に調査を行い、もしも問題が生じた場合には排除する。」というものだ。核心的でない部分については、アメリカにデータを盗まれるか、中国に盗まれるか二者択一の選択肢しかないということだ。

 さらに言うと、5G覇権争いの最終決戦場になると言われているのが台湾だ。台湾には、世界最大のEMS企業のホンハイと世界最大の半導体製造ファウンドリであるTSMCがある。ファーウェイの5G戦略は、ホンハイの工場での製品の生産と、TSMCの工場での半導体チップの生産が、「二つの生命線」となっている。習近平が自身の任期期間中に台湾の中国統一を是非とも成し遂げたいと思っている理由はそこにある。台湾が中国に飲み込まれてしまえば、これらの2社は中国の思うがままになり、アップルなどに代表される、これらの2社に依存している米国のハイテク産業は大打撃を受けることになるだろう。

 ビット(bit)はアトム(atom)の上位概念である。20世紀の物質の時代から21世紀の情報の時代への流れは必然であり、その逆はない。今、米中はその情報の時代の最前線で世界覇権を賭けた戦略的な戦いをしている。一方で日本はと言うと、お隣の韓国と物質の時代の半導体材料を持ち出して、世界覇権とは何の関係もない、戦術レベルの戦いをしている。日本と中国の格差がこれ程までにもついてしまったことを、世界中に知らしめているようなものだ。こんなバカ丸出しで恥ずかしいことははやくヤメにしてほしい。

 21世紀は情報で革命が起きる時代になる。21世紀の物理学者達は、量子力学は情報理論の一種であると素直に理解して、極自然に局所的認識論を基礎にして、世界と宇宙を見ていくことになる。ブラックホールの情報パラドックスの問題は未だ解決されていない。また生物を他の物理的システムと分けて、生物足らしめているものも情報であることは間違いない。21世紀、日本人は情報が好きとか嫌いとか、自分達に向いているとか向いていないとかは別にして、それに真正面からぶつかっていった方がいいと思う。それができないなら、小物同士で争ったりしないで、静かに生きた方が良いと思う。


by チイ


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。