SSブログ

ゴーンさんの日本脱出劇に思う [社会]

 年末から年始にかけて、保釈中であったゴーン元日産会長が海外に脱出してしまったという凄いニュースが飛び込んで来た。それにしてもゴーンさんは行動が迅速だ。(その行動が良いか悪いかは別にして。)これからの情報化社会では、迅速に決断し行動することが経営者にとって何よりも求められる資質になると思うが、西川さんなどの日本人社長ではこれから先の自動車産業の激変の中、何も決められないで会社が傾いて行きそうな気がする。何とかモデルといったような今まで通りに車を作り続けるようなゼロサム・ゲームをやるには最適な人材なのだろうが。

 日本の社会は不思議なもので、情報化社会に必要な有能な日本人経営者や技術者の数が少ないと言われているのにもかかわらず、ゴーンさんのような有能な人材を排除してしまう。最近の似たような事例では、数年前にスパコンの助成金詐欺で逮捕された「斎藤元章」氏と、最近Twiiterで中国人差別を呟いて企業献金などを止められ炎上した、31歳で東大最年少准教授になった「大澤昇平」氏の名前が直ぐに頭に浮かんだ。2人ともこれからの時代を背負って立つ数少ない天才的な才能を持った人達だが、ゴーンさんと同じように些細なことに足をすくわれて社会の中から排除されてしまう。斎藤元章氏は新潟大医学部→東大大学院医学部、大澤昇平氏は高専→筑波大→東大大学院(松尾研)という変わった経歴の持ち主で、あまりにも目立ち過ぎたので、東大閥の中で排除されてしまったような感じだ。

 こんなことをやっていたら、これからは海外の有能な経営者や優秀な技術者はもう日本には来てくれないだろう。日本人の不得意な仕事や分野を彼らにやらせておいて、それが成ったら彼らを排除して後は自分達の好きなように様にやるでは誰も来てくれないだろう。その後に続くのは今まで通りにゼロサム・ゲームでそれを食い潰すだけの話になってしまう。経営者だと国や検察を巻き込んでの泥沼の社内権力闘争に発展してしまうし、技術者だとソフト部隊とハード部隊の間での血みどろの主導権争いに発展してしまって、仕事どころの騒ぎではなくなってしまう。

 19年版のU.S.News & World Report誌のコンピュータ・サイエンス部門のランキングは、昨年同様中国の清華大学が第1位で、日本の中では東大が最高位の135位だ。(昨年の91位から更に順位を落としている。)21世紀は他のどんな分野で上位に立ったとしても、コンピュータ・サイエンスの分野で負けてしまうと、結局は科学技術分野での競争での戦略的な負けになってしまうと思う。この順位は21世紀の日本にとって本当に絶望的な数字だ。本当に21世紀の日本のことを考えるなら、オリンピックに投入した約1兆円近くになるお金を、コンピュータ・サイエンス分野の立て直しに使って、海外からひろく有能な人材をスカウトして日本で研究したり働いてもらうようにするべきだと思う。

 イギリスは19世紀にディズレーリというユダヤ人の首相を輩出して大英帝国の黄金時代を迎えることになります。ユダヤ人を首相にするといったイギリスのような度量が無いにしても、せめて日本のコンピュータ・サイエンス分野での海外の有能な人材の力を借りるくらいの度量があっても良いのではないか。その時に本当に必要なことは人材を選定する見識と、一度任せたら後は一切口出しせずに彼らの考えるように思いっきり仕事をしてもらうことです。日本のためになるとか日本人に向いていないとかそんな事を言っているようでは駄目です。

 

 by チイ

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。