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大谷翔平の魅力 [社会]

 現在米大リーグエンゼルスのの大谷翔平選手が、2-way player(又は3-way player)として大活躍して、日本人選手としてははじめてホームランキングのタイトル(今現在、39ホーマーで1位)を取るのではないかと、何かと話題になっている。これまで米大リーグでパワーの劣る日本人がホームラン王を取るなど夢のまた夢で、現実味のない話だった。バッターはイチローのように長打は望めないがコツコツとヒットを打つタイプとか、ピッチャーで言えば豪速球は投げられないが、変化球を中心としたコントロール重視のかわして打ち取るタイプのピッチャーがほとんどだった。でも大谷は米大リーグにおける日本人選手のそのイメージを完全に覆してしまった。

 大谷選手の活躍は、今後の日本の目指すべき方向性や現在の日本の停滞状況を打破するための多くのヒントを与えてくれているように思う。私が彼の活躍から今後の日本が参考にすれば良いと考えているのは大きく以下の2点です。

 (1)大前提を疑ってみる(変えてみる)。

 (2)スペシャリストよりもマルチ・プレイヤーが輝く時代。

以下に(1)、(2)についてより詳しく補足してみたいと思います。

 (1)については、これまで日本人がどんなことがあっても守り続けてきた価値観があります。

 ・窒息型勉強の上を作ってこなかったこと。

 ・モノ(ハード) >> 情報(ソフト)の価値観。

これまでの日本の成功も失敗も全て上に書いた2つの価値観がもとになっています。これらの価値観が上手く機能した時には日本は繁栄し、逆にそれらが上手く機能しなかった時に日本は衰退しています。そろそろこの大前提である価値観の上を日本人は目指すべき時に来ている様に思います。もちろん上に書いた価値観は日本人に合っているのでそれを続けている訳で、全ての人がその上を目指す必要はないと思いますが、少数派ではあるが日本人の1割くらいの人はそちらの方向性を目指すべきだと思います。これは教育にも関わってくる問題なので、今の教育制度とは全く違った、それらの人達のための新たな教育制度をもう一本作らなければいけなくなると思います。要は大前提を変えてみない限り、これまでとは大きく何も変わらないという事です。この改革は、恐らく日本人だけでやるにはかなり難しいと思います。

 (2)については、モノの時代には仕事が細分化されてスペシャリストが優遇される時代でしたが、情報(ネットワーク)の時代にはその逆の時代になるという事です。ただこれには難しい問題もあります。ただ単に中途半端なレベルのマルチ・プレイヤーになってもあまり意味がなく、それぞれの分野でトップのレベルをキープする必要があります。だからこそ逆にこれからは、色んな分野に才能があって、マルチ・プレイヤーを目指したいという人たちを育てて、支援して行くような社会の体制作りが必要になってくると思います。例えば、以下の様な感じです。

 ・コンピュータ・サイエンスの分野で言えば、脳型チップを開発出来て、その上で動くOSも同時に作れてしまう様な人。(会社で言えば、インテルとマイクロソフトを足して2で割った様な会社を設立できる様な人。)

 ・理論と実験の両方に秀でた人材の育成。(物理学では、理論と実験の両方に精通した物理学者は、エリンコ・フェルミが最後だと言われています。それ以降はフェルミの様な2-way playerは出てきてない訳ですが、これからはフェルミの様な人材を多く輩出できた国が栄える時代になると思います。)

 ・クラシックの大作曲家は皆、3-way playerだった。つまり、作曲 + 演奏(Sheet music + 即興演奏)で昔は3-way playerの人達が沢山いたという事です。音楽も細分化されたスペシャリストの時代を経て、昔に戻って行くような気がします。

 色々と書きましたが、今何故大谷選手がこれほど注目され、賞賛されているかを真剣に考えてみる必要があると思います。しかも今彼は米国(世界)の中で戦っています。日本にいてプレーしていたとしても、これほど世界から注目、賞賛されることはなかったと思います。日本国内の椅子取りゲームの勝者ではなくて、世界と戦える人材を輩出できなければ、日本は没落して行くだけです。


by チイ

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