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豊島さん2冠達成 [社会]

 昨日の2019年竜王戦第5局で豊島名人が広瀬竜王に勝って、名人と竜王の2冠を達成した。タイトル戦の中でも二日制7番勝負で優勝賞金も大きいビッグタイトルである名人戦を4勝0敗、竜王戦を4勝1敗という圧倒的な強さだった。残念ながら、王位、棋聖の2タイトル防衛はならなかったが、自分としてはこれからも名人と竜王の2大タイトルを長い間保持できるように頑張っていってほしいと思っている。

 これからの将棋界は当分の間、豊島さんと渡辺さんの2人を中心に回っていくことになると思う。後、それに広瀬さんが加わる形で。渡辺さんも現在3冠だが、10期以上に渡って守り続けた竜王の王座には並々ならぬ思いがあると思うので、来年以降の竜王戦も楽しみである。たま豊島さんは現在、同じ東海出身の藤井君にとっての良い壁になっている。いずれは追いつかれ抜き去られる日が来るのだろうが、今の所藤井君に対してA級棋士の強さを見せつける結果になっている。

 豊島さんも昨年の2018年に初タイトルを取るまではかなりの間伸び悩んでいたようだ。一時期コンピュータ将棋にのめり込んで、対局で羽生さんに差し手が面白くないと怒られていたような時期もあったが、最近一皮向けてコンピュータ将棋との最善の付き合い方みたいなものを習得されたような気がする。いずれにしても現在のA級棋士の中で一番コンピュータ将棋を研究されている一人であることは間違いないと思う。

 昨日は休日だったので、午後からの終盤戦をニコニコ動画で見ていたのだが、大逆転のハラハラドキドキの凄い一番だった。終盤コンピュータ将棋の評価値で、広瀬さんの方が1700点ほどリードした時点で、まず広瀬さんの勝ちだろうと思っていたら、解説をされていた人が次は常識的にここでしょうと言って置いた駒の評価値が一気に五分五分までになってしまって、何故そうなるか分からないと言っている間に広瀬さんがそこに打ってしまってから、豊島さんの大反撃が始まった。それでももう一歩で積みになる直前まで行ったが、最後豊島さんが凌ぎ切って大逆転勝利となってしまった。

 昨年の羽生さんと広瀬さんの竜王戦第6局で終盤で羽生さんが2000点ほどリードしていたにもかかわらず、一つの差手で五分五分まで戻ってしまって、その後直ぐに広瀬さんに負けてしまった戦いを思い出してしまった。現在広瀬さんはA級棋士の中でも終盤の強さはピカイチと言われていて、そんな人でも読み違えをしてしまうことってあるんだなと、改めて将棋の勝負の恐ろしさを痛感させられる試合だった。それにしても終盤でのコンピュータ将棋の評価値の読みの正しさは本当に凄いなと感心させられてしまった。

 終盤でどちらかが1000点以上リードした段階で、もし棋士がコンピュータ将棋の評価値を見ながら指すことができれば、このような差し違えは絶対に起こらない訳で、これから先の人間とコンピュータ(AI)の良い付き合い方はどうあるべきかを考えさせられる一番でもあった。近い将来実社会でもこれに似たようなことが起こってきて、本当にAIに力を借りないといけない局面でそれができる人とできない人で大きな差がついてしまう社会になっていきそうな気がする。


by チイ

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