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3変数鶴亀算〜南雲忠一効果〜 [学問]

 「翼君は、60円、90円、120円の3種類の切手を合わせて17枚買って1440円となりました。60円の切手は90円の切手の2倍の枚数を買いました。それぞれの切手の枚数は何枚になるでしょうか?」

 これは中学受験の「3変数の鶴亀算」の問題です。大人なら3変数の方程式を立てて誰でも解くことができますが、貴方はこれを算数の問題として鶴亀算を使って解くことが出来ますか?通常、学校で教わる鶴亀算は2変数を扱います。この問題の難しさはそれが3変数あると言う事です。最近ちょっとしたきっかけで算数の鶴亀算の問題をみていた時に、3変数の鶴亀算ってあるのかな?とふと思って探してみるとありました。3変数の鶴亀算は難関中高一貫校の算数の問題としてよく出されるみたいです。

 鶴亀算は「面積図」と言うのを描いてみるとよく分かります。(私が小6の頃にはこの考え方は教わらなかった様に思うが??)2変数の場合は、面積図を描くと「こぶ」がひとつだけできて、そのこぶの面積が求まれば鶴亀算は解けたことになるのですが、3変数の場合はこぶが2つできてしまって、さてどうするの?って言う話です。

 ヒントは2つのこぶをひとつに均します。上の例で言うと、「90円1枚と60円2枚の1セットを考え、1セット210円の中に平均値段が70円の切手が3枚ある」と言う風に考えます。そすると70円切手と120円切手が合わせて17枚ある通常の2変数の鶴亀算になります。後は、興味のある方は続きを最後まで鶴亀算で解いてみてください。

 何故、こんな事を書いたかと言うと、普通は3変数、4変数のものを鶴亀算を使って解こうとする人なんていないと言う事です。それは代数方程式を使って解いた方がずっと楽だからです。鶴亀算には代数方程式ほどの一般性や拡張性が乏しいと言う事です。でも受験では皆が鶴亀算の応用問題の対策をしており、ありきたりの2変数では全員が解けてしまうので、わざとに小難しい3変数の問題を作っているわけです。

 中学受験のを経験した様な人でも、中学になって代数方程式を習った途端に、鶴亀算は頭の中から完全に消えてなくなってしまうと思います。(受験であんなに苦労させられた鶴亀算なのに!!)逆に中学になってからも代数方程式の問題を鶴亀算で解いたりしていると、周りから「お前バカなんじゃない!!」と言って笑われてしまいます。でも問題によっては何でもかんでもx、y、zと置いて代数方程式を使って解くより、鶴亀算を使って解いた方が簡単でずっと速い様な場合もあります。本来は、大人になっても問題によって、両者を使い分けられる様な教え方をすべきなのです。

 日本海軍は昭和に入ってからいわゆる「ペーパーエリート」になってから没落しました。山本五十六も南雲忠一も当時のペーパーエリートです。「超ウルトラ戦艦クイズ」を解いてきた人達なのです。でもその能力は「空母」の時代には全く役に立ちませんでした。まだ答えのない問題を解く必要があったからです。私はこれを「南雲忠一効果」と呼んでいます。日本の受験制度は度が過ぎるといつも南雲忠一効果に陥って時代から取り残されていきます。


by チイ


 


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