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バーンスタインの思い出 [音楽]

 YouTubeを見ていたら、色々なジャンルの人が「ビートルズ評」を書いているものがありました。その中でも作曲家を中心に、私が特に面白いなと思った論評を以下にまとめてみました。

  • レナード・バーンスタイン   ビートルズは20世紀最高の作曲家だ。いや、今世紀ならずとも、少なくともシューベルトやヘンデルより上等だろう。
  • カラヤン   ビートルズが音楽史においてもっとも革新的だった所は、アメリカンブルースのテイストに欧州古典のハーモニーを合体させたことだ。黒人伝統のものと白人のそれのミックスはポップミュージックにおいてこそ可能だった。ギター音は可能な限りフルボリュームに奏でられ、ユニークで複雑なコード使いが見られる。”3B”とは、”バッハ、ベートーベン、そしてビートルズ”のことだ。
  • 武満徹   ビートルズの音楽は単純な和音でありながら聴くたびに新しい発見がある。私はポールマッカ―トニーやジョージガーシュインのような作曲家になりたかった。なぜなら彼らはメロディーメーカーとして天才だからだ。
  • 坂本龍一   とにかくもの凄いショックで、ビートルズの音楽は感覚的にフィットしました。ビートルズは常にオールド・スタイルを持っているので、いつの時代にも訴えかける要素、ただのロックじゃなく色々な音楽の要素を抱えているんです。
  • クインシー・ジョーンズ   ポールマッカートニーはジャンルの垣根をなくした20世紀で一番優れた作曲家だ。私は彼の曲の優れた部分を一曲ごとに解説することが出来る。おそらくもう二度と彼のような作曲家は現れないだろう。彼はポピュラー音楽の中に自分用の音楽理論を確立させている。
  • スティーブ・ライヒ   彼らの曲を聴いたとき、正確には「イエスタデイ」を初めて聴いたときに理解したよ。「イエスタデイ」は不滅の旋律だってね。あれこそクラシックな曲だった。僕は部屋の中でただじっと聞くしかなかった。僕にはそんな曲を書く才能は無いというのは明らかだったし、当時のクラシックの作曲家にも、バーンスタインでさえそんな才能など持っていなかったと思うよ。
  • ジャクソン・ブラウン   ただ聞いているだけだと誰でも作れそうな曲なんだ。作曲家になるつもりが無く本当にただ聞いているだけならね。作曲家になってしまうと僕らはポール・マッカートニーとの壁を感じなければならなくなる。

  バーンスタインに関する私の思い出は、高校の時の英文和訳(長文読解)の授業にあります。私は英語は高校になってから全然量をこなせなくなってしまって、落ちこぼれてしまった。1年の時は運動部に所属していて毎日夜遅くまで練習があって、予習復習を怠ったために、中間/期末試験で初めて見る文章ばかりというような悲惨な状況だった。そんなわけで、高校3年間で習った英文和訳の内容はひとつも記憶に残っていないのだが、何故か高校1年の時の授業でバーンスタインが書いた記事の短い内容だけは今でも覚えている。

 バーンスタインが書いていたのは、要約すると、「私は今クラシック音楽をやっているが、それよりも今アメリカでおこりつつあるJAZZなどの新しい音楽の方がもっと重要だ。」という趣旨のことを言っていて、英語の教諭がこの部分を力説してコメントしたのかもしれないし、その言い切る言葉の強さに私が反応したのかはよくわからないのだが、いまだにこの部分だけは鮮明に覚えている。

 実際にバーンスタインのその頃の趣味は「黒のベートーベンを発掘する。」ことだったらしい。自分の練習が終わると、すぐにヴィレッジ・バンガードに出かけて行って、黒のベートーベンの卵を見つけては喜んでいたらしい。バーンスタインは日本の音楽大学で、「自分は高尚な音楽をやっているんだ!」とふんぞり返っているような大先生とは全然違うということだ。異文化コミュニケーション能力や、本物を見る目が凄いんだろうなと思う。

by チイ


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