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良いこと探し [音楽]

 東日本大震災からちょうど1か月が過ぎたが、東日本ではこの1ヶ月間くらいの間、毎日のように余震が続いている。この地震収束までには半年から1年くらいはかかってしまうのだろう。今年は地震に始まって地震に終わる1年になってしまいそうだ。福島原発の放射能漏れの事故も長期化は避けられない様相を呈して来ている。

 これから日本は、どのようにして復興していくことになるのだろうか?私には日本のこれからの未来に向けてのビジョンがよく見えない。リーマンショック前の「ハイパー消費」の社会に日本が再び戻る事を期待している産業界の人達は多いようだ。この震災を境に、日本が今まで以上にお金やモノや資源に執着して、昔の古い世界に逆戻りしてしまうことを私は一番恐れる。現状、すぐにやれるこ事を優先して行った場合、今までのハイパー消費の枠組みの中で、それを発展させていく方向に向かっていってしまいそうな気もする。

 考えていると、暗い気持ちになってしまうので、最近自分の周りでの良かったこと探しをしてみたのだが、ひとつだけ良いことがあった。それは音楽に関することで、ビル・エバンスのヴィレッジ・ヴァンガードでの「ワルツ・フォー・デビー」の完全コピー譜がピアノでどうにかこうにか弾けるようになったことだ。この曲は私がJAZZを聴き始めるきっかけになった曲で、今でも大好きな曲のひとつだが、今まで何回となくトライしたが結局は挫折して弾きこなせないでいた。もともと、ビル・エバンスやキース・ジャレットの完全コピー譜はクラシックでいえば、中級程度以上の技術がないと弾けないのは確かである。なので、挫折して当たり前ではあるのだが、今回は特に猛練習をしたというわけでもないのだが、何故か弾きこなせるようになった。

 JAZZの演奏の中でも、アドリブを含めて、クラシックのように一音たりともその通りに弾きたいと思わせるような曲がある。私にとっては、それは、このビル・エバンスのヴィレッジ・ヴァンガードでの「ワルツ・フォー・デビー」であったり、キース・ジャレットがミラノのスカラ座のソロ・コンサートのアンコールで弾いた「オーバーザ・レインボー」であったりするわけだが、これは本当にアドリブなのか?と思わせるくらいよく書かれてあるのだ。

 「Waltz for Debby」 はエヴァンスの兄娘デビイのために書かれたワルツだが、原曲の素晴らしさはもちろんだが、アドリブもこのヴィレッジ・ヴァンガードでのものが最高だ。エヴァンスは白人なので、JAZZの場合、どうしてもリズムという点に関しては難があるのだが、このワルツのアドリブは文句なしに最高にすばらしい。これを聴いているとワルツとは本当に白人の音楽なのだなと納得させられてしまう。(もっとも最近知ったのだが、ビル・エバンスはユダヤ人であるらしい。白人の中で血が混じって、私達には白人にしか見えないが。)

 私は「和音の耳コピ」はできない人なので、上記のジャレットの「オーバーザ・レインボー」は知り合いに数万円払ってコピーしてもらった。このコピー譜はまだ販売されていないようで、相聞花伝の譜面集に載せようと思っているが、まだ実現していない。こちらの方も曲としてはほとんどアドリブと呼べるような部分は少ないのだが、その和声の音使いは信じられないほどにすばらしい。クラシックのピアニストも是非アンコールなどで弾いてみては?とのお奨めの曲でもある。「ワルツ・フォー・デビー」や「オーバーザ・レインボー」はクラシックのピアニストにとっても、比較的すんなりとJAZZに入りやすい特徴を持っているのではないかと思う。音楽は最終的には情念の世界になってしまうので、今回、弾きたいと思う気持ちが技術の壁を越えさせてくれたのかもしれない。

by チイ


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