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ブロックチェーンのプラットフォーム(ポストGAFA/BATH) [コンピューター]

 平成の時代のメガテックは、米のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と中国のBATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)で決まりだったが、令和時代には、これらの世界的な巨大プラットフォーマーはどのように変遷していくのだろうか?2018年9月にグーグルの元会長のエリック・シュミット氏が、「これからのインターネットの世界は米国と中国主導の2つに分断されていく」との予想を明らかにしましたが、「今や問うべきは、米中二極体制の時代がやって来るのかどうかではなく、それがどのようなものになるか?」だそうです。6月末に開催された大阪でのG20では、世界の目は「米中の新冷戦」の進展に釘付けとなり、日本は技術や経済の世界でも完全に中国の後塵を拝することになりました。

 現在のGAFA/BATHなどの中央集権型のクラウド・コンピューティングのプラットフォームは、データの囲い込み、セキュリティー、プライバシーなどの面で多くの問題を抱えてしまっている。それをインターネットの黎明期の思想でもあった分散型のプラットフォームに、ブロックチェーンの技術を用いて作り変えようといった動きが出てきている。GAFAやBATH自身も、生き残りを賭けてこれらのプラットフォーム領域へと一部は進出しようとしているし、これから新たにメガプラットフォーマーとしてこれらの領域に参入して来るユニコーン企業も多数存在している。

 勝者一人勝ちのインターネットから、誰もが勝者になれるインターネットへの移行をリードするものとして、最近Blockstackが注目されている。Blockstackはブロックチェーンの仕組みをベースにした非中央集権型アプリのための新しいインターネット。今あるインターネット回線のハードウエアの上に、インターネットプロトコルというソフトウエア層があり、その上にブロックチェーンのソフトウエア層を置き、その上にBkockstackのソフトウエア層を置く。さらにその上に非中央集権型アプリが乗るイメージ。Bkockstackの仕組みを簡単にまとめると、Bkockstackのブロックチェーンにはユーザや事業者がどこにいて、それらを結びつけるにはどのルートでデータを送受信すればいいか、という管理目的のデータが格納されているだけ。その上に乗るアプリのプログラムは事業者のコンピュータに格納されていて、ユーザのプロフィールや利用履歴などのデータは、ユーザ個人のコンピュータに格納される。非中央集権型サービスのメリットは、多くの企業が参加できるのでサービス間の切磋琢磨がイノベーションを生み多様性に富んだサービスが生まれること。(パブリック・ネットワーク効果)

 また、ブロックチェーンと言えば、直ぐに連想してしまうのが金融(FinTec)への応用があるが、アメリカは金融の分野では、既に中国に大きく遅れをとってしまっている。金融包摂に関しては、モバイル決済で言えば、米は中国の0.数%にしかすぎない。(2015年で、米の87億ドルに対して中国は1.5兆米ドル、2017年には、米の1200億ドルに対して、中国は17兆米ドル)また、アメリカは国際送金の分野でも、中央集権型のSWIFT(国際銀行間通信協会)などのレガシーシステムを抱えている。これに対して中国ではアリペイ式ブロックチェーン国際決済が主流になりつつある。アメリカは基軸通貨のドルの上に胡坐をかいていると、金融での次世代プラットフォーム競争で中国に負けてしまうかもしれない。

 中には、これからのブロックチェーンのプラットフォームの時代、中央集権型のクラウドのプラットフォームは消えてなくなってしまうというような意見の人もいるようだが、私は両者半々くらいで均衡して2つとも生き残るのではないかと思っている。中央集権型のメリットであるプライベート・ネットワーク効果もそれなりに残ると思う。ただ、時代を前に進める原動力になるのは、GDPRのような法律や規則ではなくて、Blockstackのような理想のインターネットを作ろうとする新しいテクノロジーであることは間違いない。

 現在は、ブロックチェーン型の新しいプラットフォームの乱立期であり、世界的なメガプラットフォーマーになれる最後のチャンスかもしれない。この勝負は恐らくは2025年頃までには決していて、日本が来年のオリンピックが終わって、その後、オリンピック不況に陥ったと騒いでいる頃には大勢が決している可能性が大きい。令和の時代は、その始まりの数年の間で、その後の運命が決してしまうかもしれない。


Blockstackのホームページ : https://blockstack.org


by チイ



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