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2013年参院選結果~民主党に望むこと~ [政治]

 2013年の参院選は予想通りというか、自公の圧勝で終わった。これで衆参議院ともに自公が過半数を占めることになって、昔の強い自民党時代に先祖返りしてしまった格好だ。特に民主党は昨年末の衆院選に続き議席を大きく減らして、第2党としての存在感は全くなくなってしまった。投票率も50%をちょっと越えるくらいの低い水準に留まった。

 最近の日本の様子を見ていると、戦前(第2次世界大戦)の日本の様相に似てきている様な気がしてならない。戦前もそうだったが、日本にはこれといった突出した強いリーダーがいるわけでもないのだが、ある閉塞感の中で国民全体がある方向へと自然に流されていってしまうのだ。非線形科学の中に、「リズムと同期」という分野があるのだが、自然が選択している最も単純で低次の同期の仕方にユニゾン同期(synchronize in unison)というのがある。有名な例が蛍(Firefly)の発光現象で、蛍の中には「指揮者蛍」はいないのだが、ある同質な系の中では、ある引き込み範囲の中で全体が歩調を合わせて同期してしまう。日本人は蛍民族なのだ。

 私が一番気になるのは、自民党は結局は、従来のハード主導の経済政策しか取れないと思う。アベノミクスは結局はハード主導の経済政策を実行し、また産業界もそれを望むだろうからそちらの方向に流れていってしまう。今回の選挙でも地方は自民党の圧勝だった。公共事業で多額の予算を地方に流してもらうためだ。私は、この3年間の間にアベノミクスの経済政策は必ず行き詰まると思うし、今日本が同期して向かっている先は世界の潮流とは真逆の方向だと思う。

 今回の選挙でも、官僚の既得権の打破ということはよく耳にしたが、それよりも今の日本の官僚の中に、ソフトウエア主導の経済政策を策定実行できる人材がいないことの方がもっと問題だと思う。戦後ずっとハード主導の経済政策しかやってこなかったので、それができる人材が育っていないのだと思う。企業の中も同じだと思う。今企業の中では、昔のようにハードのつまみ食いをやって短期間にヒット商品を作れる人材がいなくなったということで、若い人はケツをたたかれていることだと思う。しかし、多分それは間違っていて、今の若い人がつまみ食いができなくなったのではなくて、もうその手法自体が陳腐化したものになってしまっているのだということに気が付いている人は少ない。

 民主党は、これからの3年間、志のある官僚も含めて、「ソフトウエア主導の経済政策」の実現に向けて本気で取り組んでみればいいと思う。そうすれば近い将来必ず自民党に代わって、日本の正しい舵取を行わないといけない時が必ず来ると思います。人は現状を変えないといけない決断に迫られた時、取る道は2通りしかありません。過去に戻るか、未来を目指すかのどちらかです。今回の選挙で、日本国民は自民党が言っている「良かった時代の過去」を選択しました。そのつけは、これから日本国民が払うことになると思います。

 最後に歴史の教訓として。旧日本軍は、優秀な戦闘機を開発し、空母も有してある意味時代の流れには対応していました。でも最終的に残したものは「戦艦大和」であり、それも最後には沖縄に特攻してあの戦争は終わりました。結局日本はモノだけ作って、情報化やソフトウエア化の流れにはのれなかったのです。自民党は、ハード主導で、ソフトウエア対応もいっしょにやると言うと思いますし、多分そうするでしょう。でもそれでは失敗するのです。今まで持っていたハードの全てを捨てるくらいの覚悟でやらないと駄目だということです。それはハードでの成功体験のない、民主党でゼロから作り直した方がいいのです。

by チイ

 


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