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アベノミクス第3の矢~安倍総理が本当にすべきこと~ [経済]

 6月5日、安倍首相による「アベノミクス第3の矢」の成長戦略素案の発表があったが、その直後から株価が4%ほどいっきに下落した。市場の概ねの評価は、成長戦略の美辞麗句、字ずらだけを並べたもので、実際の個別の戦略の実行のロードマップが全然示せていないというものであった。成長戦略の中身としても、「医療」、「クリーンエネルギー」、「次世代インフラ」、「農業改革」など民主党政権時からずっと言われ続けて来て、まだ実現できていないものばかりで新鮮味に欠けていたように思う。

 実は、議員内閣制における内閣総理大臣は、アメリカなどの国民が直接選挙で選ぶ大統領以上の強い権力を有しているそうです。成長戦略の具体的な内容は、実際は自民党の政調や霞が関の官僚が作成しているわけで、その前に、安倍さんは成長戦略(発展戦略)としてどういった方向にこの国を導いていこうとしているのかを国民に示す必要があるわけです。私が安倍さんの立場だったら、まずTVで21世紀の世界の潮流は、「ハード」ではなくて「ソフト」の時代になることを国民に説明して、21世紀の日本は「ソフトウエア立国」を目指すことを国内外に宣言します。

 本当はこれは民主党政権が出来たときに、鳩山前総理がやっていればベストだったのですが、民主党は「コンクリートから人へ」の実際の核になるビジョンを最後まで示すことができませんでした。多くの日本国民は政治に期待するものの大半は経済政策なので、本当は21世紀は、民主党が「ソフト主導の経済政策」を、自民党が従来の得意としている「ハード主導の経済政策」を対立軸とした2大政党でやっていけばよかったのです。

 ただ、こういうことを言うと猛反対する人達はたくさんいます。まずなによりも経団連の「ハードがちがち頭」のおじさんやおじいさんたちを説得しなければなりません。また、現状下での日本の大手製造メーカーは、まさにハード主導なので、競争力のないソフト主導になんかにすれば、たちまち会社が倒産してしまうといわれてしまいます。高等教育も旧態依然とした体質で、全然時代の求めに応じたものではなくなってしまっています。ソフトウエア立国を目指すなら、教育そのものもそれに合わせて大きく変えていく必要があります。それができるのは権力を掌握している総理大臣だけです。

 そのためにもトップが、その方向性にどれだけの確信をもっているかが問われることになります。たとえ失敗しても、その方向性以外に日本が進むべき道がないのならチャレンジしてみるしかないと思います。20世紀は「モノ(物質)」が中心の時代でしたが、21世紀は「情報」が中心の世紀になります。それに合わせて科学や技術の中心も「ハード」から「ソフト」へと間違いなく動いていくことになると思います。特にこの10~20年くらいの間に、コンピュータが特にソフト面で飛躍的に進歩して、世界を大きくかえていくことになると思います。たとえば20世紀の大量生産のものづくりそのものも全然違った形に変容していくと思います。

 総理大臣が国民に呼びかけて、国民が変わらなければいけないのだと納得すれば、日本人の変化に対する対応能力や技術習得能力は世界一です。その際大切な事は、古いモノや体制は温存しないことです。今やっているような、大企業でうまくいかなくなった半導体やパネルの部門を国が買い取って再生させるみたいなことは止めた方がいいです。その分のお金をこれからの新規ソフト分野への投資に回した方がはるかに建設的です。

 今電機大手の中では、シャープが銀行からの資金調達も難しい状態に追い込まれて、一番大変なようだが、私はシャープは早く潰れてしまった方がいいと思う。理由は簡単で、これからの日本の将来の仕事として、どんなに高精細なパネルなんか作っても、それはもう日本のやる仕事ではなくなっているからです。シャープが一番最初に潰れれば、シャープの組み込み系のソフトエンジニアの中から将来の関西のソフトウエア産業を背負って立つ人が出てくる可能性が一番あるわけです。シャープのエンジニアに一番チャンスがあるとも言えるわけです。でもそれはシャープの中にいてはもう駄目です。

by チイ


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