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フェイスブック元年 [コンピューター]

 今年、2011年は、日本にとってのフェイスブック元年になりそうな気配が感じられる。グーグルは、世界中の情報を検索技術によって整理するというミッションを掲げて運営されている組織だが、現在そのミッションンを阻んでいるものが3つある。

  1. 企業のイントラネット
  2. ウェブ全体を覆いつつあるクローズドなソーシャルメディア
  3. 伸長するモバイルインターネット

1については現在、自社サーバーからクラウドコンピューティングの環境への移行が順調に推進されつつあるが、2や3のフェイスブックやアップルは、非常にクローズドな生態系を作り上げているという点で、グーグルがめざしてきたオープンでの標準的なウェブの世界とはだいぶ違った様相を呈して来ている。特に2のツイッターやフェイスブック、ユーストリームなどのソーシャルメディア群が、グーグルの前に大きく立ちはだかろうとしてきている。

 フェイスブックの最大の強みは、全世界5億人と言われる、実名でのリアルな「ソーシャルグラフ」を有していることだ。特に広義のソーシャルグラフは、「オープングラフ」とも言われ、人と人の繋がりなどの人間系データ以外にも、その人の人とモノの繋がりや人とコンテンツの繋がりなどの行動履歴データも合わせ持っている。創業者のマーク・ザッカ―バーグが言っているように、この5年以内にほとんどの産業がこの「ソーシャルグラフ」を用いて、ソーシャル化されることになるだろう。

 よくグーグルとの対比で、「ハイパーリンク」対「ソーシャルグラフ」という言い方がされる。御存知のようにグーグルはウェブぺージのハイパーリンク構造を解析することで最強の検索エンジンを作り上げたが、現在はウェブサイトの発見というよりも、その上に存在しているコンテンツ自体の流れである「ソーシャルストリーム」に重要性がシフトしてきている。ソーシャルグラフのあり方によって、ソーシャルストリームの流れが決定していくのである。静的な構造から、動的な流れに重要性がシフトしていっていることは、ネットワークの本来の特性から考えた場合、しごく自然な流れであるようにも思える。

 グーグルの創業者のラリー・ペイジとサ―ゲイ・ブリンは西海岸のスタンフォードの出身だが、フェイスブックは、ボーンイン ハーバードだ。両方ともにアメリカの名門大学の学生が起業しておこしたところが面白い。(日本で言えば本当は、京大と東大の学生の中から、こうした最先端のIT企業が生まれてこないといけないのだろうが、現実は寂しいかぎりである。)

 こうした世界の流れを見ていると、日本は、「情報」ということに関しては、完全にアメリカの後塵を拝してしまっている。なんだかんだ言っても、「きちんとしたハードさえ作っていればなんとかなる。」という思いが心のどこかにあるのだろう。ただ、世の中には時代の大きな流れというものがある。そしてその流れは、私の見るところ、間違ったものではないように思える。現在、競争力がなくても、不得意な分野であっても、そんなことは関係なく、誰かがそれにうまく適合していかないと日本の未来はないようにも思える。

by チイ


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